***Miracle Girl vol.8 〜F4×つくし〜***


「隙だらけなんだよ、お前は」

じろりと西門さんに睨まれ、あたしは何も言えなくなる。

「俺があそこに現われなかったら、お前今頃類にやられてたぞ」

「って!何でそういう言い方するのよ!」

「事実だろうが!大体―――」

西門さんの手があたし胸元に伸び、シャツをぐいっと引っ張る。

「きゃあっ、ちょっと!」

「こんなとこにキスマークつけられやがって!」

「だ、だって、気付かなかったんだもん!」

「それが問題なんだよ!何で男の横で平気で熟睡できるんだっつーの!」

「だって―――」

「相手が類だから―――とか、いわねえだろうな、まさか」

その言葉にあたしは思わず固まり―――

次の瞬間。

西門さんの殺気を帯びた笑顔に、また逃げ場を失ってしまうのだった・・・・・


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「それで?」

美作さんの、珍しく冷たい視線が突き刺さる。

「結局、総二郎にもキスマークつけられたわけだ」

美作さんの視線の先は、あたしの首筋。

はっきりとつけられた赤い花弁のような痕は、どうにも隠しようがなくて・・・・・

「まったく。相変わらず警戒心の薄いやつだな」

「そんなことないよ。大体、あたしが西門さんに敵うわけ―――」

「へえ。総二郎には敵わないわけ?」

ぴりぴりとした空気が美作さんを包んでる。

なんだかとってもやばいような気がしてきた・・・・・

「だったら俺とも、勝負してみる?」

そう言って掴まれた手首は、簡単には振りほどけそうにもなかった・・・・・。




  

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