「隙だらけなんだよ、お前は」
じろりと西門さんに睨まれ、あたしは何も言えなくなる。
「俺があそこに現われなかったら、お前今頃類にやられてたぞ」
「って!何でそういう言い方するのよ!」
「事実だろうが!大体―――」
西門さんの手があたし胸元に伸び、シャツをぐいっと引っ張る。
「きゃあっ、ちょっと!」
「こんなとこにキスマークつけられやがって!」
「だ、だって、気付かなかったんだもん!」
「それが問題なんだよ!何で男の横で平気で熟睡できるんだっつーの!」
「だって―――」
「相手が類だから―――とか、いわねえだろうな、まさか」
その言葉にあたしは思わず固まり―――
次の瞬間。
西門さんの殺気を帯びた笑顔に、また逃げ場を失ってしまうのだった・・・・・
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「それで?」
美作さんの、珍しく冷たい視線が突き刺さる。
「結局、総二郎にもキスマークつけられたわけだ」
美作さんの視線の先は、あたしの首筋。
はっきりとつけられた赤い花弁のような痕は、どうにも隠しようがなくて・・・・・
「まったく。相変わらず警戒心の薄いやつだな」
「そんなことないよ。大体、あたしが西門さんに敵うわけ―――」
「へえ。総二郎には敵わないわけ?」
ぴりぴりとした空気が美作さんを包んでる。
なんだかとってもやばいような気がしてきた・・・・・
「だったら俺とも、勝負してみる?」
そう言って掴まれた手首は、簡単には振りほどけそうにもなかった・・・・・。
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