美作さんの家に泊まってしまったことが原因で、花沢類や西門さんの家にも泊まる羽目になってしまったあたしだけど。
花沢類も、西門さんもあたしにキス以上のことはしようとはせず(キスだけでも充分なんだけど)。
F4が、あたしのことを本当に大切に想ってくれてるんだってことはとてもよくわかったけれど。
でも、だからってこの4人の中から誰か1人を選ぶだなんて、そんなことできっこない。
だって、みんな大切な友達だから・・・・・。
この友情を、壊したくない。
日に日に4人の思いの強さがあたしに伝わってきて。
そろそろ何とかしなくちゃいけないかも・・・・・。
そう思っていたときだった。
「5人で旅行に行かない?」
花沢類に誘われ、あたしはF4とともに旅行へ行くことになった。
この旅行が、とんでもないことになるなんて、思いもせずに・・・・・
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「船は苦手なんだけど」
うんざりするあたしを見て、にっこりと微笑む花沢類。
「景色でも見て、気を紛らわせれば」
「そんなこと言われても・・・・・」
見渡す限り青い海。
確かにきれいだけれど・・・・・。
5人で旅行に行くのに、何でわざわざ船?
「文句言うなよ。たまには良いだろ?」
道明寺がえらそうに言う。
「心配すんなよ。船に酔ったら俺がやさ〜しく看病してやるから」
にやりと怪しげな笑みを浮かべる西門さん。
「そうそう。こんないい男四人が付いてるんだから、心配すんなよ」
その隣でのんきに雑誌をめくる美作さん。
「ははは・・・・・それは結構なことで」
あたしは4人を前に、乾いた笑いを浮かべるしかなかった・・・・・。
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強い衝撃に、ふと目が覚める。
「何事?」
甲板に出ると、目の前に見たこともないような植物や木が鬱蒼と茂った小さな島。
「無人島らしいな」
同じように甲板に出てきた西門さんがそう言った。
「何でこんなところに?」
「船が壊れた」
そう言ったのは、いつの間にかあたしの後ろにいた道明寺だ。
「壊れた?どういうこと?」
「自動操縦にしてたんだよ。こんな島に着くはずじゃなかった」
「・・・・・って、どうするの?連絡は?」
「通じねえよ」
道明寺の後ろから、美作さんが顔を出す。
片手には携帯電話。
そしてその隣には花沢類。
「ここ、電波が届かないみたいだね」
肩をすくめてそう言う類に。
あたしの頭はすでにパニックだ。
「どうするの!?」
4人は顔を見合わせ・・・・・
「サバイバルに挑戦、だな」
西門さんがにやりと笑い。
3人も頷いて笑ったのだった・・・・・。
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