-rui-
「今日は、俺のうちに泊まって」
「何?唐突に」
「こないだはあきらのうちに泊まったんでしょ?それなら、今日は俺のうち」
「何でそうなるの?別に、泊まろうと思って美作さんの家に行ったわけじゃないし―――」
「じゃ、どうして?」
「え?」
「何であきらの家に行ったの?」
「美作さんのお母様に呼ばれて・・・・・」
「どうして?」
「それは・・・・・」
「それは?」
「・・・・・うちに、お嫁に来ない?って・・・・・」
―――冗談じゃない。
牧野をめぐるバトルはイーブンだったはずなのに、あきらの親に気に入られたことで、あきらがリードしてる形だ。
牧野自身も、あきらには気を許してる部分がある。
それはあきらの人を安心させる雰囲気とか、何でも話してみたくなるような独特のオーラのせいだろう。
「別に・・・・・美作さんが特別ってわけじゃないよ。確かに話しやすいけど、それは類だってそうだし・・・・・。美作さんのお母さんて面白いの。すごくかわいらしくて、ケーキ作りとか、教えてもらう約束なの」
そう言ってにっこりと微笑む牧野はかわいいけれど。
そうやってどんどんあきらに近づくのを黙ってみてるわけには行かない。
俺は、牧野の腕を掴んだ。
牧野がきょとんとして俺を見上げる。
俺はそんな牧野ににっこりと微笑んで。
「今日は、絶対俺の家に連れて行くから」
-tsukushi-
「あきらが好きなのか?」
道明寺の言葉に、溜息をつく。
「だから、何でそうなるの」
「結婚の話が出てるって」
「美作さんのお母様がね、その気になってるってだけで、あたしは別に・・・・・」
「じゃあ誰ならいいんだ?」
「誰って・・・・・そんなのわかんない」
「わかんないって、お前!ふざけんなよ!」
「うるさいなあ。今はまだ、そんなこと考えたくないの!」
「じゃあ、いつならいいんだ?」
「だから、そんなのわかんないってば!少なくとも今、あんたとの結婚は考えてないから!」
「なんだと!?」
暫く道明寺と睨みあい・・・・・
「お前が、他のやつと結婚するっつても絶対邪魔してやるからな!!」
噛み付きそうな勢いでそう怒鳴った道明寺を見て。
あたし、一生結婚できないかも・・・・
と、溜息をついたのだった・・・・・
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