***Miracle Girl vol.21 〜F4×つくし〜***


誰か1人を選べないなら、F4で共有。

それって結局あたしはF4の愛人になるってこと?

とうんざりしたけれど。

でも、愛人とは違うんだって。

仲間であり、恋人であり、家族である。

そんな存在なんだって。

「本当はこのお城にずっと住んでたっていいと思ったんだけど」

と、類が言った。

「けど、それじゃあ牧野も家族や女友達と会えなくて寂しいだろうから。それはやめようって話になったんだ」

「で・・・・・たとえばそれで美作さんと結婚したとして、3人はちゃんと他の人と結婚するの?」

あたしの問いに、4人は肩をすくめた。

「おふくろとの約束だからな」

と道明寺。

「俺は結婚しないよ」

と言ったのは類。

「俺は結婚はするよ。そういう約束だからな」

と、西門さん。

美作さんが言った。

「これは、契約なんだよ。お前に選ばれなければ結婚する。もしくは縁談だけ受けるっていう。その家の、会社の中の1人としての契約。だから、結婚も仕事ってこと」

「そんなの・・・・・」

あたしには到底理解できない。

結婚を仕事として考えなくちゃいけないなんて。

そして。

そんな、仕事としての結婚なんか、彼らにしてほしくない。

そのために、あたしにできることって・・・・・?


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「だって、納得できないもん。好きでもない人と結婚しなくちゃならないなんて」

「だから、それが仕事なんだって」

美作さんの言葉に、それでも首を振る。

「だって、その人と人生を共にするんだよ?好きでもない人とそんなことができるの?相手の人にだって・・・・・失礼だよ」

あたしの言葉に、F4は顔を見合わせた。

「じゃあ、お前はどうするのがいいと思うわけ?」

西門さんが言う。

「・・・・・結婚しない、っていうわけにいかないの?」

「そうできればそうしてる。さっきも言ったけど、これは仕事だ。それを条件に、俺らはここに来てるんだぜ」

道明寺が厳しい声でそう言う。

それはわかってる。

だけど、やっぱりそんなの納得できないよ。

あたしが考え込んでいると、横にいた類が口を開いた。

「結婚しなくていい方法は、1つだけだよ」

「え・・・・・あるの?」

あたしは驚いて類の顔を見上げた。

「本来、妻がやるべき仕事―――接待とか、管理みたいなものすべて、自分でこなせばいい。1人ではどうしても無理な部分は秘書に任せる。いわゆる大物がすべて、結婚してるわけじゃない。独身貴族だってたくさんいる。人にできて、俺たちにできないわけがない。違う?」

妙に自信たっぷりな類の言葉に。

あたしたちは全員一瞬固まっていたのだった・・・・・



  

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