***Miracle Girl vol.13 〜F4×つくし〜***


「お前のために、一生結婚しないっていえたら良いんだけどな」

美作さんが苦笑して言った。

「そうもいかない。俺たちの世界は・・・・・。だから、これが最後だと思ってる」

「最後?」

「親との約束だからな。お前が誰かを選んだら、その時点で選ばれたやつ以外は縁談を受けるんだよ」

「みんなが・・・・・?」

「そ。だから、牧野が誰か1人を選ぶまでは、俺たちの好きにさせてくれっていったんだ」

美作さんの優しい手が、あたしの髪をそっと撫でた。

「たぶん、俺たち4人がお前と過ごせるのはこれが最後だ。だから、悔いの残らないようにしたい」

「あたしは・・・・・どうしたら良いの?」

「お前は、自分の気持ちに正直になれば良い。俺たちは、お前の気持ちをちゃんと受け止める覚悟を最初からしてるから」

額に、そっと優しいキスを落ちてくる。

ほっとするような、安心感を与えてくれるキスだった・・・・・。


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たどり着いたのは、最初に来たときと同じところとは思えないような、大豪邸が目の前に見える海岸で。

「―――最初に漂着したのとは、反対側になるんだよ」

類の説明に、かろうじて頷くことができたあたし。

道明寺って、どんだけすごいんだろうって感心するやら呆れるやら。

まるで、昔憧れたシンデレラ城の様な白亜の城。

いったい部屋はいくつあるんだろう?

船を下りると、目の前に現われたそれにまた驚かされる。

真っ白な馬が2頭、これまた真っ白な馬車に繋がれていて。

パステルピンクの燕尾服を来た男の人が、その前で恭しく頭を下げた。

「皆様、お待ちしておりました。どうぞ、お乗りください」

その言葉に、当たり前のように馬車に乗り込んでいくF4。

あたしは慌ててその後をついていった。

がたがたと小刻みに揺れながら進む馬車の中。

「部屋はたくさんあるから、好きな部屋選べよ。日替わりでも良いぞ」

との道明寺の言葉に、引きつった笑いしか返せない。

「最初のサバイバルと違って、着替えも食べ物も充分用意されてるから、ちょっとした旅行だと思って楽しめば」

あたしを気遣うような西門さんの言葉に、それでも納得しきれないあたし。

「牧野には、笑ってて欲しいんだ」

類の言葉に、はっとする。

「こうなったのは、俺たちの家のせいだけど。でも、そうそうできない経験だしね」

にっこりと無邪気な微笑みをあたしに向ける。

「そういうこと。牧野は、ただ楽しめば良い」

美作さんの言葉に。

なんとなく、悩んでるのが馬鹿らしくなってくる。

「―――わかった。もう、夢の中のことだと思って思いっきり楽しんでやる」

そう言ってぐっと拳を握るあたしを見て、4人は楽しそうに笑ったのだった・・・・・。



  

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