久しぶりの我が家。
あの無人島生活からようやく開放されて。
まるで何年もあそこにいたみたい。
今、部屋に1人でいるのがなぜかとても不思議な気分だった・・・・・。
「それで、どうすんの?」
弟の進がりんごを持ってきてくれた。
「どうするって?」
「F4の中から1人を選ぶんでしょ?」
「何であんたがそれ知ってるの?」
「だって、有名な話だよ?F4の牧野つくし争奪戦って。姉ちゃんが誰かを選ぶまで、島から戻ってこないんだと思ってた」
「・・・・・有名って・・・・・いったいどういうことよ?」
「ネットの動画サイトで、無人島実況中継って、やってたんだ」
進の言葉に。
あたしは文字通り、開いた口が塞がらなかったのだった・・・・・。
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「要するに、どういうことなの?」
あたしの問いに、F4は顔を見合わせた。
「俺たち4人のところに、同時期に縁談の話があったんだよ」
始めに口を開いたのは美作さんだった。
「同時期に?」
「そ。どうやら俺たちが4人とも牧野つくしに惚れてるらしいって知って、親同士密かに連絡取り合ってたらしいぜ」
そう言ったのは西門さんだ。
「で、その縁談の話を当然俺たちは断った」
類がいつものように穏やかに言う。
「それで・・・・・」
次に口を開いたのは道明寺だった。
「断られることを予測してたらしい親共は、こう言った。牧野つくしと結婚できるのは一人だけだ。他の3人は縁談を進めたって問題ないはずだってな」
「問題大ありだっつーの」
西門さんがボソッと呟いたのはこの際無視して。
「ちょっと待って、その前に、あたしが4人の中の誰かと結婚なんて、誰が決めたのよ!だいたいあんたたちの親がそう簡単にあたしのこと認めるはず―――」
あたしの言葉に4人は再び顔を見合わせ・・・・・
「それが、今回は簡単に許したみたいだよ?」
そう言って、類がにっこりと微笑んだのだった・・・・・
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