***Miracle Girl vol.10 〜F4×つくし〜***


久しぶりの我が家。

あの無人島生活からようやく開放されて。

まるで何年もあそこにいたみたい。

今、部屋に1人でいるのがなぜかとても不思議な気分だった・・・・・。

「それで、どうすんの?」

弟の進がりんごを持ってきてくれた。

「どうするって?」

「F4の中から1人を選ぶんでしょ?」

「何であんたがそれ知ってるの?」

「だって、有名な話だよ?F4の牧野つくし争奪戦って。姉ちゃんが誰かを選ぶまで、島から戻ってこないんだと思ってた」

「・・・・・有名って・・・・・いったいどういうことよ?」

「ネットの動画サイトで、無人島実況中継って、やってたんだ」

進の言葉に。

あたしは文字通り、開いた口が塞がらなかったのだった・・・・・。


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「要するに、どういうことなの?」

あたしの問いに、F4は顔を見合わせた。

「俺たち4人のところに、同時期に縁談の話があったんだよ」

始めに口を開いたのは美作さんだった。

「同時期に?」

「そ。どうやら俺たちが4人とも牧野つくしに惚れてるらしいって知って、親同士密かに連絡取り合ってたらしいぜ」

そう言ったのは西門さんだ。

「で、その縁談の話を当然俺たちは断った」

類がいつものように穏やかに言う。

「それで・・・・・」

次に口を開いたのは道明寺だった。

「断られることを予測してたらしい親共は、こう言った。牧野つくしと結婚できるのは一人だけだ。他の3人は縁談を進めたって問題ないはずだってな」

「問題大ありだっつーの」

西門さんがボソッと呟いたのはこの際無視して。

「ちょっと待って、その前に、あたしが4人の中の誰かと結婚なんて、誰が決めたのよ!だいたいあんたたちの親がそう簡単にあたしのこと認めるはず―――」

あたしの言葉に4人は再び顔を見合わせ・・・・・

「それが、今回は簡単に許したみたいだよ?」

そう言って、類がにっこりと微笑んだのだった・・・・・



  

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