「戻ってきてほしいんだよ、お前に」
ママのお父さん―――つまり、あたしにとってはお祖父さんが、ママを見て言った。
ママは、戸惑った表情でお祖父さんを見ていた。
「でも、私は―――」
「お前たちの結婚は、許そう。いや―――あのときも、許すつもりだったんだ・・・・・」
「お父様―――」
「すまなかった、あのときは―――ただお前を、渡したくないという私のわがままだった。家のことなど、関係ない。ただ―――お前がいなくなることが耐えられなかったんだよ・・・・・」
お祖父さんとお祖母さんの瞳に、涙が浮かぶ。
ママもぽろぽろと涙を流していた。
あたしと進は、ただその光景を呆然と見つめるしかなくて―――
「この家に、一緒に住んではくれないか?後継ぎのことなどは別にして―――子供たちも一緒に、ここへ・・・・・」
お祖父さんの言葉に。
ママは、一歩下がったところでその光景を見つめていたパパを振り返った。
パパが、「好きにしなさい」と言うように、やさしく微笑んで頷いた。
そして。
ママが、ゆっくりと頷いたのだった。
「この葬儀が終わったら―――引っ越してきます」
ママの言葉に、あたしを進は顔を見合わせ―――
そして、この大豪邸を見渡した。
ここに、あたしたちが住むの・・・・・?
「牧野!ちょっとこい!!」
学校に着いた途端、西門さんと美作さんに捕まり、ずるずる引きづられて行く。
「お前、菅野コンツェルンの人間だったって!?」
裏庭には道明寺や花沢類も揃っていた。
F4の視線が突き刺さる。
「マジなのか!?」
勢い込んで迫ってくる西門&美作に、あたしは思わず後ずさる。
「し、知らない―――」
「知らないわけねえだろ?どういうことか説明しろよ!」
西門さんに腕を掴まれ、逃げ場を失う。
「説明って―――ただ、ママの実家が菅野家だったってだけで―――あたしは本当に何も知らなかったんだから」
「マジ―――なんだな」
そう言って美作さんが溜息をつく。
「―――何よ、何でみんなそんな顔するの?別にあたしがどうだって、あんた達には関係―――」
「あるんだよ、大いにな」
西門さんの言葉に、あたしは首を傾げる。
「どういうこと?」
その言葉に。
F4は顔を見合わせ、難しい顔で黙り込んでしまったのだった・・・・・。
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