***秘密の花園 vol.3 〜?つくし〜***



  「戻ってきてほしいんだよ、お前に」

ママのお父さん―――つまり、あたしにとってはお祖父さんが、ママを見て言った。

ママは、戸惑った表情でお祖父さんを見ていた。

「でも、私は―――」

「お前たちの結婚は、許そう。いや―――あのときも、許すつもりだったんだ・・・・・」

「お父様―――」

「すまなかった、あのときは―――ただお前を、渡したくないという私のわがままだった。家のことなど、関係ない。ただ―――お前がいなくなることが耐えられなかったんだよ・・・・・」

お祖父さんとお祖母さんの瞳に、涙が浮かぶ。

ママもぽろぽろと涙を流していた。

あたしと進は、ただその光景を呆然と見つめるしかなくて―――

「この家に、一緒に住んではくれないか?後継ぎのことなどは別にして―――子供たちも一緒に、ここへ・・・・・」

お祖父さんの言葉に。

ママは、一歩下がったところでその光景を見つめていたパパを振り返った。

パパが、「好きにしなさい」と言うように、やさしく微笑んで頷いた。

そして。

ママが、ゆっくりと頷いたのだった。

「この葬儀が終わったら―――引っ越してきます」

ママの言葉に、あたしを進は顔を見合わせ―――

そして、この大豪邸を見渡した。

ここに、あたしたちが住むの・・・・・?



「牧野!ちょっとこい!!」

学校に着いた途端、西門さんと美作さんに捕まり、ずるずる引きづられて行く。

「お前、菅野コンツェルンの人間だったって!?」

裏庭には道明寺や花沢類も揃っていた。

F4の視線が突き刺さる。

「マジなのか!?」

勢い込んで迫ってくる西門&美作に、あたしは思わず後ずさる。

「し、知らない―――」

「知らないわけねえだろ?どういうことか説明しろよ!」

西門さんに腕を掴まれ、逃げ場を失う。

「説明って―――ただ、ママの実家が菅野家だったってだけで―――あたしは本当に何も知らなかったんだから」

「マジ―――なんだな」

そう言って美作さんが溜息をつく。

「―――何よ、何でみんなそんな顔するの?別にあたしがどうだって、あんた達には関係―――」

「あるんだよ、大いにな」

西門さんの言葉に、あたしは首を傾げる。

「どういうこと?」

その言葉に。

F4は顔を見合わせ、難しい顔で黙り込んでしまったのだった・・・・・。







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