***Only Love 〜類つく〜***



 「・・・・・何してんの」
 ドアを開けると、飛び込んできたのはかわいらしいメイド姿の牧野だった。
 俺に見られたのを知ると、途端に顔を真っ赤に染め上げる。

 胸元の大きく開いた白いブラウスに、胸のふくらみを強調するような紺のエプロンドレス。
 スカートの裾はふんわりと広がり、白いペチコートがちらちらと見えるのが逆にセクシーだった。
 ミニ丈の裾からは生足が覗き、膝までの白いソックスが細い足にぴったりと張り付いていた。

 「何してんの?」
 もう一度聞くと、牧野は観念したように溜息をついた。
「・・・・・試着」
「その服、どうしたの?まるでメイド喫茶にでも行くみたいだね」
 そう冗談めかして言えば。
 牧野の目が一瞬ぎくりとしたのを、俺は見逃さなかった。
「・・・・・どういうこと?」
「・・・・・桜子に、頼まれて。バイト」
「バイト?あの三条が?」
「うん・・・・・。桜子の、前の彼氏がメイドのコスプレが好きで、家にナイショでバイトしてたんだって。でも、その彼と別れて・・・・・。バイトも、もう辞めるんだけど、どうしても明日だけ人が足りないからって頼まれたんだけど、桜子も用事があるからって・・・・・」
「それであんたが頼まれたの?何でそんなの引き受けるの」
「だって、強引にこの制服押し付けられて・・・・・どうしてもって泣きつかれちゃったんだもん」
 上目遣いに俺を見上げる牧野。
 俺は、大きな溜息をついた。
「・・・・・その格好を、他のやつにも見せるの?」
「だって、制服だから・・・・・」
 俺は牧野の腰を引き寄せ、その体を腕の中に封じ込めた。
「絶対ダメ」
「だって・・・・・」
 困ったように俺を見上げる牧野。
 胸の膨らみが上からはっきりとわかるその格好に、俺は顔を顰めた。
「・・・・・どうしても行くんなら、俺も行く」
「だ、だめ!」
「何で?」
「だって・・・・・」
 牧野の頬が染まる。
「他のメイドさんを、見て欲しくない。類を・・・・・見せたくない」
 潤んだ瞳。
 
 頭で考えるよりも先に、体が動いてた。

 乱暴にその唇を奪い、華奢な体をかき抱く。

 漸く腕を緩めるころ、牧野は俺に?まらないと立っていられない状態だった。

「・・・・・かわいいね、その格好」
「あたしには、似合わないよ」
 照れたように言うその表情が、かわいかった。
「似合ってるよ。でも・・・・・俺以外のやつには、見せないで」
「また・・・・・」
「俺、本気だから。明日1日・・・・・牧野を縛り付けてでも、行かせないよ」
 耳元で囁けば。

 牧野は観念したように俺の胸に額をつけて、くすりと笑った。

「もう、強引」
「・・・・・嫌いになった?」
「ううん・・・・・。大好きよ・・・・・」

 それから俺たちはまた、ゆっくりと口付けを交わした・・・・・




                               fin.




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