彼が優しい人だってことはわかってるし
妹想いだってことも知ってるけど。
朝からこんな光景を見せられると、ちょっと拗ねてみたくもなる。
だって・・・・・
「ん・・・・・?なんだ、牧野来てたのか」
目をこすりつつ、ベッドに起きあがる美作さん。
「起こせばいいのに」
「―――悪いかと思って」
あたしの言葉に美作さんは不思議そうな顔をして
ふと、ベッドに目を落とす。
そこには、美作さんを挟むようにして眠る小さな天使たち―――
彼の双子の妹がいた。
「―――何だ、こいつらまた来てたのか。遠慮すんなよ、いつものことだし。お前だったらこいつらも文句言わねえよ」
はたしてそれはどうか―――
女心ってものを、わかってるようでわかってないんだから。
そう思ってちょっとムッとしていると、そんなあたしを楽しそうに見つめる美作さん。
「もしかして、拗ねてんの?」
「べ、別に―――」
「なら、お前も一緒に寝る?このベッドで―――」
そう言って、手を引き寄せられるのに、どきんと胸が鳴る。
「ちょ―――」
「なんなら―――一晩中抱きしめて寝てやろうか?」
耳元に囁かれた声に、体が熱くなる。
「や―――」
「けど、そうしたら俺が堪えらんないかも」
「え―――?」
「抱きしめるだけじゃ―――すまなくなるかもな」
甘く囁いて。
そのまま唇を塞がれる。
妹たちを起こさないように、そっと―――
こんな時まで気を使うんだから。
そういうとこが、好きだけど・・・・・
|