N.Y.の空の下、途方に暮れていたあたしの目の前に現れたのは花沢類だった。
「帰ろう、日本に」
やわらかな笑顔と優しい声。
この人はいつもあたしを守ってくれる。
「花沢類―――ありがとう」
ありがとうもごめんも聞き飽きたって。
でも、どうやってこの気持ちを伝えたらいいのかわからない。
『ありがとう』でも『ごめん』でもない。
どうやって伝えればいい?
「花沢類、聞いて」
「何?ありがとうならもう聞いたよ」
「そうじゃなくて」
そうじゃない。
そんな言葉じゃない。
だって、それじゃあたしの気持ちが伝わらないの。
「―――好きなの」
驚きに目を瞬かせて。
「―――本気?」
その言葉に頷いて。
気付かないうちに涙が頬を伝ってた。
「もう―――後戻りできないよ?」
「うん―――わかってる」
だって、あたしが決めたことだから。
一緒にいたいって。
ずっとそばにいたいって。
そう思ったの。
―――大好き―――
|