***恋心 67 〜類つく〜***



  ここは非常階段で。

その踊り場の手すりに背中をつけていて。

どこにも逃げられない感じ?

そして、目の前には花沢類の笑顔。

「―――何で?」

「何が?」

「どうしてこんな状況になってるの?」

「―――それは、牧野が悪い」

「どうして」

「俺を挑発するから」

「―――いつ」

「さっきから。今日のかっこ、すごい可愛い」

「普通のかっこだよ。単なるワンピース」

「―――短すぎる。そんなかっこ、俺以外の前でしないで」

「な、何言ってんの。関係ないじゃ―――」

ない、と言おうとして。

その唇を塞がれる。

逃げる間もなく。

そして、甘いキスの後、耳元に囁かれる。

「関係ないなんて、言わせない」

甘い、甘い告白。

「牧野は―――俺のものだから」







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