ここは非常階段で。
その踊り場の手すりに背中をつけていて。
どこにも逃げられない感じ?
そして、目の前には花沢類の笑顔。
「―――何で?」
「何が?」
「どうしてこんな状況になってるの?」
「―――それは、牧野が悪い」
「どうして」
「俺を挑発するから」
「―――いつ」
「さっきから。今日のかっこ、すごい可愛い」
「普通のかっこだよ。単なるワンピース」
「―――短すぎる。そんなかっこ、俺以外の前でしないで」
「な、何言ってんの。関係ないじゃ―――」
ない、と言おうとして。
その唇を塞がれる。
逃げる間もなく。
そして、甘いキスの後、耳元に囁かれる。
「関係ないなんて、言わせない」
甘い、甘い告白。
「牧野は―――俺のものだから」
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