「明日、ひま?」
さりげなく牧野に聞いてみる。
牧野は目を瞬かせながら、俺を見上げる。
「ううん、明日はバイトがあるから。何?用事?」
「いや―――暇なら、どっか行こうかと思ったんだけど」
「西門さんと?」
「ああ」
「あたしが?」
「なんかおかしいか?」
「ていうか―――珍しいなと思って」
「そうでもねえだろ。司もあきらも海外で、類も最近忙しいらしいし。暇なの俺とお前だけだろ」
「西門さんだって忙しいでしょ?」
「俺は平気だよ。お前に合わせるから、今度どっか遊び行こうぜ」
何とかデートに持って行こうと努力してるってのに、こいつは。
「いいけど―――それなら優紀とか桜子も誘う?大勢の方が楽しくない?」
わかってねえんだよな、やっぱり・・・・・
「―――俺は、2人がいい」
やっぱり、こいつには直球かな。
「え?」
「俺は―――お前と2人で、出かけたいって言ってんの」
そう言って牧野を見つめれば、ようやくその意味を理解したように頬が染まっていく。
「ちょっとは、男心を察してくれよな、つくしちゃん」
まずは手始めに。
2人で、デートしよう―――
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