***恋心 6 〜類つく〜***



 
「類の肌って、きれいだよね」

あたしの言葉に、類がそのビー玉のような目をぱちくりとさせた。

「何、突然」

「ほら、あたしこの夏外でバイトとかしたもんだから焼けちゃって。すっかり小麦色でしょ?類の肌は白くてきれいだなって。日焼けとか、したことある?」

「うーん、確かにあんまり覚えがないな。夏は暑くて・・・・・家の中のが涼しくて気持ちいい」

「・・・・・完全にもやしっ子って感じがするけど。でもスポーツなんかすごいできるし、憎たらしいよね」

「何拗ねてんの」

くすくすと笑う類。

それがまた憎たらしい。

「だって、どうしたって類には敵わないんだもん」

「―――そんなことないよ」

「そんなことあるよ」

「少なくとも―――俺は、牧野には敵わないと思ってるから」

「え―――」

にっこりと、天使の笑顔。

そんな不意打ちをするから、あたしは何も言えなくて。

やっぱりこの人には敵わないって思ってしまう。

きっとずっと敵わない。

だけど。

そんな類だから、あたしはずっと一緒にいたいって、思うんだ・・・・・。



                              fin.







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