「類の肌って、きれいだよね」
あたしの言葉に、類がそのビー玉のような目をぱちくりとさせた。
「何、突然」
「ほら、あたしこの夏外でバイトとかしたもんだから焼けちゃって。すっかり小麦色でしょ?類の肌は白くてきれいだなって。日焼けとか、したことある?」
「うーん、確かにあんまり覚えがないな。夏は暑くて・・・・・家の中のが涼しくて気持ちいい」
「・・・・・完全にもやしっ子って感じがするけど。でもスポーツなんかすごいできるし、憎たらしいよね」
「何拗ねてんの」
くすくすと笑う類。
それがまた憎たらしい。
「だって、どうしたって類には敵わないんだもん」
「―――そんなことないよ」
「そんなことあるよ」
「少なくとも―――俺は、牧野には敵わないと思ってるから」
「え―――」
にっこりと、天使の笑顔。
そんな不意打ちをするから、あたしは何も言えなくて。
やっぱりこの人には敵わないって思ってしまう。
きっとずっと敵わない。
だけど。
そんな類だから、あたしはずっと一緒にいたいって、思うんだ・・・・・。
fin.
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