「美作さん、ファッションショーに出るって!?」
飛び込んできたつくしに、あきらは顔を顰める。
「―――総二郎に聞いたのか。あの野郎、言うなっつったのに・・・・・」
「なんで?すごいじゃん、モデルなんて!あたしも見に行っていいんでしょ?」
「ダメ」
即答するあきらに、今度はつくしが顔を顰める。
「なんで?西門さんはみんなで行こうって」
「お前はだめ」
「だからなんで?見られたらまずいことでもあるわけ?」
「そうじゃねえよ」
「モデルさんとラブシーンでもあるとか?ファッションショーでもそういう演出ってあるの?」
「演出としてはあるかもしれねえけど、そうじゃねえよ」
「じゃ、なんで!?あたしだけだめなんて、納得いかない!!」
と、横で聞いていた類が、耐えきれなくなったようにぷっと吹き出す。
「類、笑うな」
「類は知ってるの?ねえ、教えてよ、なんであたしは見に行っちゃだめなの」
「―――あきらは、男性モデルとして出るんじゃないんだよ」
にやりと類が笑う。
「え―――どういうこと?」
「類!!」
「女性モデルとして出るんだ」
「―――は?」
目が点になるつくし。
「女性モデルとして、理想的な体型だって、デザイナーにスカウトされたんだってさ」
くすくすと笑う類。
頭を抱えるあきら。
つくしはしばらく固まっていたが―――
「あたし、絶対見に行く!!」
と、瞳を輝かせたのは言うまでもない・・・・・。
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