頬杖ついて、眉間にしわ寄せて。
かと思うと目を輝かせ、何かに見入ってみたり。
1人で怒っていたかと思うと急に笑い出す。
牧野を見てると本当に飽きない。
テレビを見てる時も、本を読んでる時も、その表情はくるくる変わる。
別に、会話がなくたっていい。
ただ、牧野を見ていられたらそれでいいんだ。
「なあに?花沢類。さっきからじっと見て」
照れたように、微かに頬を染めて。
そんな顔も可愛いと思える。
「ん、別に。退屈しないなあと思って」
「また、そうやって馬鹿にする」
ぷっと頬を膨らます。
まるで小動物みたいだ。
「馬鹿になんてしてない。可愛いと思ってるんだよ」
そう言ってみれば、途端に頬を真っ赤に染め上げる。
本当に、退屈しない。
ついに噴き出した俺を、恨めしそうに見る牧野。
その表情に、俺の方が降参。
「やっぱり、好きだよ」
その赤く染まった頬にキスをして。
困ったように、でも決していやじゃないって顔の牧野を見て。
俺はまた、幸せになるんだ。
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