両手に花ってこのことよね、とやってきた美作さんたちを見て思う。
双子の妹たちにせがまれて、仕方なく買い物に付き合うことにしたと言っていたけど、これほど絵になる兄妹もいない。
誰もが振り返って見るほど、麗しい3人組・・・・・。
「何してんだよ、牧野」
「あ、ごめん」
呼ばれて、はっとしてあたしは3人に駆け寄った。
「つくしおねえちゃま、一緒にお洋服選んでくれる?」
可愛く微笑まれたら、断ることなんてできないけれど―――
「つくしおねえちゃまも、お揃いにしましょ」
そんな絵夢ちゃん(最近ようやく見分けがつくように)の言葉に、ぎょっとする。
「お、おそろいって―――」
あたしに、そのふりふりの服を着ろと?
「芽夢も、それがいいな。ね、つくしおねえちゃま、いいでしょう?」
「いや、あの、それは―――」
あたしが青くなっていくのを、双子に挟まれた美作さんが見て必死に笑いをこらえてる。
「い、いいじゃん、お前も着れば・・・・・」
「美作さん!あたしにそういうの似合わないの知ってて―――!」
「そうでもないんじゃねえ?」
「は?」
「意外と、合うかも。俺が見立ててやるよ」
ニヤリとする美作さんに、あたしは思わず後ずさる。
「ちょっと―――」
「逃げんなって。俺が、とびっきり可愛い女にしてやるよ」
そう言って腕を掴まれ―――
パチンと見事に決まったウィンクに、不覚にもドキッとしてしまった・・・・・。
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