ビー玉のような透き通った瞳が好き。
薄茶のサラ髪も好き。
あたしに向けられる笑顔が大好き。
だけど。
その笑顔はもう見られなくなるの・・・・・?
「どうして泣くの?」
類の優しい手が、あたしの髪を撫でる。
「・・・・・やだよ」
「―――何が?」
「離れたくない・・・・・類と、離れたくない・・・・・」
まるで子供みたいに、涙をぽろぽろと流すあたしを、じっと見つめる瞳。
「・・・・・俺は、いつでもそばにいるよ」
「だけど・・・・・あたしは行かなくちゃ・・・・・」
「・・・・・行かせない」
ぎゅっと、抱きしめられる。
その力は、驚くほど強くて。
「類・・・・・?」
「その涙が・・・・・俺が思ってる理由で流してるなら、俺は牧野を離さない。司の所へは、行かせない・・・・・」
類が思ってる理由・・・・・?
あたしの涙のわけ・・・・・?
あたしは―――どうして泣いてるの・・・・・?
「俺は、牧野が好きだよ、ずっと。だから、牧野には幸せになってほしい。牧野が司の所へ行きたいと思うなら、喜んで見送るよ。だけど・・・・・」
類の冷たくて、やさしい手があたしの頬に触れる。
「でも・・・・・俺と一緒にいたいと思ってくれるなら・・・・・俺は牧野のそばにいる。ずっとね・・・・・」
「あたし・・・・・」
「牧野の気持ちが、知りたいんだ・・・・・」
「あたしは・・・・・類が、好き・・・・・」
いつもそばにいてくれた人。
ずっと、あたしを守ってくれた人。
ずっと、一緒にいたいと思った人。
それはやっぱり―――
「そばにいて、ずっと・・・・・」
笑顔を見せて。
あたしだけに―――。
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