***恋心 42 〜あきつく〜***



  「つくしおねえちゃんがいいんだと」

ニヤニヤしながら美作さんが言うのに、あたしは目を瞬かせる。

「は?なんのこと?」

「俺の結婚相手。俺の妹達から、つくしおねえちゃんだったらいいってお許しが出てんだけど」

「な―――何言ってんのよ、勝手に―――。なんであたしが―――」

「お袋の許しも出てるし。マジで、俺たち結婚する?」

にっこりと満面の笑みで、ぐっと顔を近づけられて。

間近にそのきれいな顔が迫り、思わず赤くなる。

「マジでって―――。か、からかうのもいい加減にしてよ、そんなつもりもないくせに―――」

「なんで?」

「え?」

「なんでお前にそんなことわかるわけ?俺にそんなつもりがないって」

「だって―――」

からかってるにきまってる。

あたしが赤くなったりするのを見て楽しんでるだけだって。

そう思うのに、その瞳に見つめられるとドキドキしてしまって。

美作さんの本心が解らなくなる。

「―――好きだよ」

「―――え?」

今・・・・・なんて・・・・・?

「俺は、お前が好きだよ。お前さえよけりゃ・・・・・本当に、結婚したいって思うくらい」

その瞳には、あたしだけが映ってる。

―――本当に?

もしも夢なら覚めないで―――

そんなことを願っているあたしがいつの間にかいたことに、あたしは驚いていた・・・・・。







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