「つくしおねえちゃんがいいんだと」
ニヤニヤしながら美作さんが言うのに、あたしは目を瞬かせる。
「は?なんのこと?」
「俺の結婚相手。俺の妹達から、つくしおねえちゃんだったらいいってお許しが出てんだけど」
「な―――何言ってんのよ、勝手に―――。なんであたしが―――」
「お袋の許しも出てるし。マジで、俺たち結婚する?」
にっこりと満面の笑みで、ぐっと顔を近づけられて。
間近にそのきれいな顔が迫り、思わず赤くなる。
「マジでって―――。か、からかうのもいい加減にしてよ、そんなつもりもないくせに―――」
「なんで?」
「え?」
「なんでお前にそんなことわかるわけ?俺にそんなつもりがないって」
「だって―――」
からかってるにきまってる。
あたしが赤くなったりするのを見て楽しんでるだけだって。
そう思うのに、その瞳に見つめられるとドキドキしてしまって。
美作さんの本心が解らなくなる。
「―――好きだよ」
「―――え?」
今・・・・・なんて・・・・・?
「俺は、お前が好きだよ。お前さえよけりゃ・・・・・本当に、結婚したいって思うくらい」
その瞳には、あたしだけが映ってる。
―――本当に?
もしも夢なら覚めないで―――
そんなことを願っているあたしがいつの間にかいたことに、あたしは驚いていた・・・・・。
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