***恋心 41 〜つかつく〜***



  「どうした?」

ウェディングドレスに身を包み、俺を見上げるつくし。

「なんか―――震えちゃって」

そんな殊勝な言葉に思わず噴き出すと。

「な、何よ、しょうがないじゃない!道明寺は緊張しないわけ?」

「バーカ、俺だって緊張してるっつーの。つーか、お前いつまでその呼び方するつもりだよ。そろそろ名前で呼んでみ」

「む、無理。これ以上緊張させないでよ。あんたのどこが緊張してるのよ」

「―――しょうがねえな」

白い顔して震えてるつくしを。

俺は腕の中に閉じ込めた。

「―――ほら、聞こえるか?俺の心臓の音」

「あ―――」

「おれだって死ぬほど緊張してる。ようやくお前を俺のものにできるんだからな」

俺の腕の中で、そっと顔をあげるつくし。

俺はその額に、キスを落とした。

「安心しろ。何があっても、俺がお前を守ってやる」

「―――何よ。それはあたしのセリフでしょ」

「ああ―――。俺に何かあったらお前が守ってくれるんだろ?」

「そうよ」

「期待してる。それでずっと、一緒にいよう」

「うん」

「ずっと―――幸せになろう」

「うん」

「行くぞ」

「うん!」

そうして2人で手をつないで。

俺たちは歩きだした―――。







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