あたしの話に、ゲラゲラと涙を流して笑う美作さん。
あたしはそんな彼を恨めしそうに見た。
「笑い事じゃないよ。どう答えたらいいのか、本当に困ったんだから!」
美作さんのお母さんに『あきら君の赤ちゃんを産んでほしい』なんて言われて。
返事に困ったあたしは、適当に話をそらせて、逃げるようにその場を後にしたんだ。
「いいじゃん、俺の赤ちゃん、産んでよ」
クックッと笑いながらも意味深な視線を向ける美作さんに、ドキッとする。
「な、何言ってんのよ、ふざけないで」
「―――ふざけてないって言ったら?」
「―――え?」
「本当に―――俺の子を生んでほしいって言ったら、お前はどうする?」
「どうするって―――」
穏やかな笑みを浮かべたその表情は、本気なのかふざけているのか―――
あたしにはそれを見破るすべもなくて。
ただ、騒がしく音を立てる胸をおさえながら。
ただ、美作さんを見つめ返すことしかできなかった―――
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