絡められる熱い吐息に、体からは力が抜け、立っていられなくなる。
そのあたしの腰を支え、そっと唇を放すと熱っぽい瞳で見つめられる。
「―――離して」
ようやく紡ぎだされた声は、自分でも驚くほどか細くて。
はねつけてしまえばいいのに
そうすることができない。
「離したくないって言ったら・・・・・?」
西門さんのきれいな顔が、間近に迫る。
「ふざけないで。あたしのことなんて―――好きでもないくせに」
胸を押す腕にも力が入らない。
「どうしてわかる?俺の気持ちなんて―――お前にわかるのかよ」
悔しそうなその声が、今まで聞いたことがないほど真剣で。
「離さねえよ。お前が―――俺のことを好きって言うまでは」
あたしの体を抱きしめる腕に、力がこもる。
「―――この体―――折れちまう前に、認めろよ」
吐息交じりの声が、耳元をくすぐる。
「おれも、認めるから―――お前が好きだって」
懇願されたら、言わないわけにいかなくなる―――。
あたしだって―――
「―――好き―――」
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