「好きなの」
言葉にしただけで、涙が出そうだった。
美作さんは困ったような顔で。
だけどあたしは止まらなくて。
「好きなの」
もう一度、そう伝えると。
「―――司には、なんて言う?」
「ちゃんと、話すよ」
「牧野、俺は―――」
「―――わかってる」
わかってるよ、美作さんの気持ちは。
いつだってF4のまとめ役で、みんなのことを考えてくれる彼だから。
だから、あたしは好きになったの。
そんな優しい美作さんが。
だけど、美作さんが道明寺を裏切るわけないし。
何より、あたしのことなんて、妹程度にしか思ってない。
それでも、この気持ちを伝えずにはいられなかった・・・・・。
サラっと、美作さんの優しい手が、あたしの髪に触れる。
「俺、まだ何も言ってねえよ」
ふと見上げれば、そこにはドキッとするような優しい笑顔。
「俺も、好きだよ、お前が」
まるで、言い聞かせるように、あたしの目を見つめる美作さん。
「うそ―――」
「うそなんてつかねえ。お前には―――ただ・・・・・覚悟しといてくれよ?」
「え?」
「俺はもう、覚悟はできてる。司を―――敵に回すことになっても、お前は、離さねえ」
そう言った美作さんの瞳は。
優しさの中にも、今まで見たことのないような情熱が見え隠れしているようで。
あたしは、しっかりその言葉に頷き、美作さんに抱きついた。
「美作さんが一緒にいてくれるなら―――大丈夫」
ずっと一緒にいたい。
そう思った人だから。
どうか、あたしを離さないで・・・・・。
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