***恋心 21 〜類つく〜***



  「ぜっっったいだめ!」

「どうして?」

「だって―――」

「牧野は、俺専属の使用人でしょ?」

「そうだけど!でも一緒に寝るなんて―――」

「いいじゃん。前に手を繋いで寝たことだってあるんだし」

「それは―――!」

あのときは、あたしは道明寺のことを思ってて―――

今は、あの時とは違うよ。

いくら使用人だって、類と一緒のベッドに入って寝るなんて―――

「牧野がいてくれなきゃ寝れない」

「嘘ばっかり。とにかく、無理」

「じゃ、クビ」

「ちょっと!いくらなんでも横暴―――!」

「なら、一緒に寝よ」

にっこりと、天使の―――いや、悪魔の微笑み。

「大丈夫。牧野がいやがることはしないから」

ずるいよ。

あたしが嫌がるわけないって、知ってて言うんだから。

そのビー玉のような瞳でお願いされたら最後。

あたしに拒否なんてできるわけないって。

あなたに、逆らえるわけないって―――

だってあたしもあなたと同じ気持ちだから。

それを見透かされているようで、悔しくなるの。

「ほら、おいで」

手を伸ばされて。

その手を掴んでしまえば、もう戻れなくなる―――







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