***恋心 18 〜総つく〜***



 
何でこんなことになってるんだろう。

人気のない教室で。

なぜかあたしは西門さんと2人きりで。

そしてなぜかキスをしていて。

「―――わけわかんないんだけど」

「ん?そう?つまり、こういうことだろ?」

「こういうことって?」

「俺が、お前のことを好きだってこと」

「―――なんの冗談?」

「なんで冗談だと思うわけ?」

「だって、ありえない」

「そうでもないぜ。俺、今めちゃくちゃ緊張してるし」

「西門さんが?」

「うん。ほら」

そう言って抱きすくめられて。

耳元に押しつけられた西門さんの胸から、心臓の鼓動が聞こえた。

とても速いリズムで、波打ってるその音に。

なんだか嬉しくなってるあたしがいて。

「―――やっぱり、ありえない」

「たまには素直になってみろって」

くすりと笑う西門さんの笑顔が、間近にある。

「お前も、俺が好きだって思ってるだろ?」

「どっから来るの、その自信」

「だって、お前の心臓の鼓動すげえはええし」

「―――やなやつ」

「なんて言われてもいいよ、お前になら」

「いつからそんな、甘やかすようになったの」

「お前を好きだって、気付いたときからだよ」

そして、また触れるだけのキスをして。

2人の鼓動が、重なった―――。







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