***恋心 〜類つく〜***




「やっぱりここにいた」



柔らかい声に振り向くと、そこには花沢類が立っていた。



「花沢類・・・・・いつ帰ってきたの?」



花沢類が大学を卒業してフランスへ旅立ったのは1年前。



花沢類がいなくなってからも、高等部の非常階段はあたしの癒しの場所だった。



「昨日。電話したんだけど・・・・・。携帯、番号変わってたから」



「あ・・・・・」



「アパートにも行ったけど、引っ越した後だったし。でも、ここに来たら会えるような気がした」



「また・・・・・ここで会えるなんて・・・・・」



「どうしても、牧野に会いたかった。会って・・・・・言いたかったんだ」



花沢類の手が、あたしの頬に触れた。



「牧野が、好きだって」




                                  fin.







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