明日のために!
「ねえ、新一、起きて」
蘭の声が聞こえる。
今日は日曜日。ここのところ事件続きで会えなかった蘭。その蘭と今日はずっと一緒にいられる・・・。
そう思うとうれしくって仕方がない。
新一は目を閉じたままにやっと笑うと、自分を起こそうと肩に置かれた蘭の手をぐっと引っ張る。
「!?きゃ!」
バランスを失って新一の上に倒れこんだ蘭は、そのまま新一に抱え込まれ、唇を塞がれた。
「―――んんっ」
驚いて離れようとする蘭の体を抱きこみ、その唇を貪る。
やわらかい唇を味わいながら、そっと目を開け蘭の表情を盗み見る。
息苦しさに眉を寄せ、赤くなってきた蘭の顔を見て、ようやくその唇を開放する。
「―――おはよ、蘭」
乱れた息を整えようと、荒い息を繰り返す蘭を見ながら、新一は満足そうに笑う。
「―――もうっ」
「ん?」
「わたし、新一に言わなきゃならないことがあったのに・・・」
「なんだよ?」
「―――えっと・・・」
あれ?なんだっけ?なんだかすごく大事なことだったような・・・
首を傾げて考え込む蘭が可愛くて、もう一度口付けようとした、その時―――
「コホンッ」
と突然部屋の入り口のほうで咳払いが聞こえ、蘭がパッと新一から離れる。新一が驚いてそっちのほ
うを見ると、そこには懐かしい姿が・・・
「新ちゃん、おはよう。朝からご機嫌なようね」
と言って、にっこりと笑ったのは、新一の母である有希子だった・・・。
「帰ってくんならそう言っといてくれよ」
リビングでコーヒーを飲みながら新一が仏頂面で言う。
「あら、何度も電話したのよ。新ちゃんたらいつもいないんだもの」
有希子がてんで気にしてないように言うので、新一はなおのことぶーたれている。その様子を見て、
蘭ははらはらしていた。
朝、いつものように工藤家を訪れた蘭は、いきなり有希子に迎えられ、それはそれは吃驚したのだ。
そして新一がまだ寝ていることを聞き、部屋に起こしに行ったのだが突然のキス攻撃にすっかり有希子
のことを忘れてしまっていた蘭。あんな場面を、よりによって新一の母親である有希子に見られてしま
うなんて・・・。蘭は顔から火が出そうなほど恥ずかしい思いをしていたのだ。
だが新一はそんなことはちっとも気にしていないようで・・・むしろ、蘭と2人きりで過ごす筈だっ
た休日を邪魔され、すこぶる機嫌が悪かった。
「んで、今回は何で帰ってきたんだよ?また父さんが原稿書けなくて出版社の奴らから逃げて来たのか?」
「ま、それもあるんだけどね・・・」
ったくしょうがねえなァ、と呆れたように言う新一を横目で見て、有希子は蘭に視線を移した。
「ねえ、蘭ちゃん」
突然有希子に名前を呼ばれ、蘭はびくっとして顔を上げる。
「は、はいっ」
有希子はにっこり笑うと、コーヒーの載った盆を差し出した。
「ごめんね、悪いんだけど、このコーヒーを書斎にいる優作のところに持っていってくれる?」
「あ、はい・・・」
「なんだよ、それくらい自分で持っていきゃあ良いだろ?」
新一が言うと、有希子は膨れっ面になり、
「だって、さっきちょっと言い合いしちゃったから、顔合わせたくないんだもの。蘭ちゃん、悪いんだ
けどお願いできる?」
「はい、わかりました」
蘭はすくっと立ち上がると、渡された盆を手に部屋を出て行った。
「―――で?なんなんだよ?」
蘭の姿が見えなくなると、新一が聞いた。
「あら、何が?」
「わざわざ蘭をここから追っ払ったろ?」
「やーね、追っ払ったんじゃないわよォ。ただ、ちょっと新ちゃんに聞きたいことがあったから・・・」
「それが、今回の帰国の目的?」
「―――物分りの良すぎる息子って可愛くないわよねえ」
「うっせーよ。さっさと用件言えよ」
「じゃ、単刀直入に聞くけど。あなた、大学はどうするつもり?」
「大学?―――そうだな、帝丹か、杯戸か・・・」
「やっぱりこっちの大学に進むつもりなの?」
「―――どういう意味だよ?」
「わかってるでしょう?これからまじめに探偵を目指すつもりなら、向こうの大学で勉強するほうがあ
なたのためになるんじゃない?」
「向こう?」
「そうよ。ハーバードとか。新ちゃんならまじめに勉強すれば行けると思うわよ」
「―――興味ねえ」
あっさりとそう言い放った新一を、有希子がじっと見詰める。
「―――やっぱり、蘭ちゃんと離れるのがいやなのね?」
「・・・・・」
「気持ちはわかるけど。でも蘭ちゃんはあなたがコナンちゃんになっている間もあなたを待っててくれ
たんだもの。大学に行ってる間だって待っててくれるんじゃない?」
「コナンになっていたときとは違うだろ?あん時は俺はちゃんと蘭の側にいたんだ」
「そうね。今度は完全に離れてしまうわ。蘭ちゃんに誰か別の男の人が近づいても新ちゃんにはわから
ないんだものね」
そう言って、意地悪そうににやっと笑った有希子を、新一がじろりと睨む。
「―――話はそれだけかよ?なら・・・」
「あん、まだよ。あなたがそう言うこと位わかってたもの。これでも母親ですからね」
「じゃ、なんなんだよ?」
「あなたがどうしても日本の大学に進みたいって言うのなら、条件があるのよ」
「はァ?なんだよ、俺の進路だぜ?俺がどうしようと・・・」
「あらァ?その学費を出すのは誰かしらァ?」
その言葉に、新一はうっと詰まる。確かに、探偵業を始めてその報酬を得られるようになるまでは、
学費は両親に頼らざるを得ない。
新一は、勝ち誇ったようににっこり笑っている有希子を見て、溜息をついた。
「わあったよ!!どうすりゃ良いんだ?」
「わかりゃあ良いのよ。大丈夫。そんなに難しいことじゃないわ」
「やあ、蘭君ありがとう」
一方、書斎では、優作が蘭の持ってきたコーヒーを受け取ったところで・・・。蘭がそのまま書斎を
出て行こうとすると、
「ああ、蘭君ちょっと」
「はい?」
「ちょっと君に聞きたいことがあるんだが・・・。新一の進路のことは、何か聞いてるかい?」
「あ、はい。確か帝丹か杯戸に行くって・・・」
「君と同じ?」
「ええ・・・」
蘭が赤くなって頷くと、優作は優しく微笑んだ。
「そうか。やはりね。実はね、今回帰国したのは新一の進路のこともあっての事なんだ」
「そうだったんですか」
「あいつも、日本ではかなり探偵としてその名を知られるようになったが、当然世界に出ればまだまだ
だ。そこで、わたしも有希子も、あいつには向こうの大学に行ってもらいたいと思ってるんだ」
蘭は、ドキッとして優作の顔を見た。
いつか、誰かに言われるんじゃないかと思っていたことだ。以前、学校側に留学を進められたことも
あると園子が言っていた。それを蘭が知ったのは新一が断った後のことで・・・。新一は「興味ないか
ら」と言っていたが、園子は「きっと蘭と離れたくないのよ」なんて言っていた。その時は笑い飛ばし
たが、1人になって考えたとき・・・もしかしたら、自分は新一が探偵になるための邪魔をしているん
じゃないかと、不安になったのだ。もちろん、新一は蘭を邪魔だなどとは思っていないだろう。でも、
結果的にそうなっていたら・・・。そう思っても、蘭は自分から新一のそばを離れることはできなかっ
た。
―――もう、あんなつらい想いはしたくない・・・。新一のいない生活は、もうたくさん・・・。で
も、この想いのせいで新一が自分の可能性をつぶしているとしたら・・・。
「蘭君・・・。君の気持ちはわかっているつもりだよ」
優作が優しい笑みを浮かべて言った。
「おじ様・・・」
「大丈夫。君につらい思いをさせる気はないんだ。ただ・・・」
「ただ?」
「君に、折り入って相談があるんだが・・・。聞いてもらえるかい?」
「?はい・・・」
「おい、蘭の奴コーヒー持ってっただけにしちゃあ遅くないか?」
新一が言うと、有希子は気のない様子で
「そーお?久しぶりに会って話が弾んでるんじゃないの?」
と言った。
「父さんと蘭が?」
新一が怪訝そうな顔をする。
「それか・・・そうね、蘭ちゃんきれいになったし。優作に口説かれてたりしてね」
その言葉に、新一はガタンと席を立つと、無言で部屋を出て行った。
「あらあら・・・」
有希子が楽しそうに笑う。冷静に考えればそんなことがあるわけはないとわかるのだが。大体本当に
そう思っていたら有希子が黙っているわけがない。ただ単に、蘭のこととなると冷静でいられなくなる
新一をからかって遊んでいるだけなのだが・・・。
新一は、書斎の入り口まで来て、ぴたりと足を止めた。ドアが少し開いていて、中から話し声が聞こ
える。
「おじ様・・・でも、わたし・・・」
「蘭君なら大丈夫。それに、僕らもついてるんだ。安心して・・・」
新一は、そっと中を覗いて見た。すると、そこには信じられないような光景が―――
蘭はこちらに背を向けていて表情は見えないが、優作が蘭の肩を抱き、優しく何か囁くと、蘭はこく
んと頷き優作の胸に顔をうずめるように―――
「!!と、父さん!!」
堪らず部屋に飛び込む新一。
蘭は吃驚して振り向き、優作はちょっと目を見開いただけで、すぐに余裕の笑みを浮かべた。
「新一?どうしたの?」
「新一君、部屋に入るときはノックくらいするものだよ」
「―――開いてたんだよっ。それより、何の話してんだよ?」
「別に、たいしたことじゃあないよ。新一こそどうしてここへ来たんだ?何か用か?」
「蘭が、なかなか戻って来ないからどうしたのかと思って・・・」
「心配だったわけか」
優作がにやっと笑うと、新一は顔を顰めた。
「あ、ごめんね、新一。今戻ろうと思ってたところなの」
そう言って蘭が新一の側へ来た。新一が何か言おうと口を開きかけた時―――
「ちょっと新ちゃん、何してるのお?あ、蘭ちゃん。ね、これからお買い物に行かない?」
書斎に入ってきた有希子が蘭を見てにっこり笑った。
「え、お買い物、ですか?」
「そうよ。新ちゃん荷物持ちにして。ね、行きましょう」
有希子に手を引っ張られ、蘭は部屋を出て行きかけたがその前にチラッと優作のほうを見て―――
「行っておいで。話はまた今度―――」
と優作に言われ、ほっとしたように微笑むとそのまま部屋を出て行った。
面白くないのはそれを見ていた新一で。
「で、何の話をしてたんだよ?」
「たいしたことじゃないと言ったろう?ほら、君も行くんだろう?早く行かないと有希子が怒り出すよ」
まだ何か言おうと口を開きかけた新一だったが・・・
「新ちゃーん!何してるのよお、早くしなさーい」
と言う有希子の声が聞こえ・・・優作も原稿に向かい始めたのを見て、仕方なく肩を竦めて部屋を出
て行ったのだった・・・。
「キャア、見て見て蘭ちゃん、このクロスすっごく素敵vvリビングにどうかしらァ」
「あ、ホント、素敵ですね。色はこっちのほうが合うんじゃないですか?」
「そうねえ、明るくって良いわあ。これにしようかしら。それから・・・」
雑貨屋できゃいきゃいはしゃぎながら品定めをする2人を、入り口の横で新一が呆れたように見ている。
―――ったく、何で・・・。ま、これに付き合うだけで日本に―――蘭の側にいられるんだったら安
いもんだよな。
と考え直し、改めて2人を見る。
そう、新一が日本に残るために有希子が出した条件とは・・・
『今日1日文句を言わず、買い物に付き合うこと』という至極簡単なものだったのだ。
あまりにも簡単すぎて・・・何か裏があるんじゃないかと訝った新一だったが、これが条件なら願っ
てもないことで・・・。不思議に思いながらもその条件を呑むことにしたのだった。
「ねえ、あれ親子かなあ?」
「ええ?お母さん、ずいぶん若くない?いいなァ、若いお母さん。あんな素敵な人だったら一緒に買い
物しても楽しいよねえ」
新一の横を通っていく若い女の子達が話しているのが聞こえる。
―――親子に見えんのかね、あの2人。
確かに、友達というには年が離れているし、姉妹にしても同じだ。今の若い女の子は、藤峰有希子と
いう女優がいたことなど知らないのだろう。きれいで若い母親と、似てはいないがやはり人目を引くき
れいな娘・・・。
思えば、蘭の両親が別居することになった頃、蘭を気遣って有希子が良く蘭を連れ出していたのだ。
もちろん新一も一緒に。毎日のように新一の家に来て、有希子とおしゃべりをしたり買い物に行ったり
・・・。時には新一がやきもちを妬くくらい一緒にいることが多かった有希子と蘭。本物の親子に見え
たとしても、不思議はないのかもしれない。
―――あの2人だったら嫁姑の関係もうまくいくかもな。
などと未来のことを考え、思わずにやける新一。
「ちょっと新ちゃん、何にやけてんのよ?」
気付くと、有希子と蘭が買い物を終えて、新一のそばへ来ていた。
「もう終わったのか?」
「このお店はね。さ、次行くわよ」
持っていた紙袋さっさと新一に押し付け、有希子は蘭の手を取って先に歩き始めた。新一は溜息をつ
きながらも、これも将来のためと思い黙って2人のあとについて歩き始めたのだった。
その後も様々な店を渡り歩き、新一が手に持ちきれないほどの買い物をし、漸く家路につく頃には、
日がとっぷりと暮れていたのだった・・・。
「やあ、お帰り。ずいぶん楽しんだようだね」
3人を出迎えた優作が、新一の持っている戦利品を見て目を丸くした。
「楽しかったわ――♪しばらく見ないうちに、可愛いお店がたくさんできてるんだものvv1日じゃ廻り
きらないくらいよ」
「おい、まさか明日も行くなんていわねえだろうな」
疲れ果て、ソファに沈んでいた新一がげんなりした様子で言う。
「明日は月曜日。新ちゃんたちは学校でしょう?さすがに学校サボってまで付き合えとは言わないわよ」
そういう有希子をじと目で睨み、
―――言いそうなところがこええんだよ。
と思った新一だったが、もちろん声には出さない。
蘭は有希子と2人、買ってきたものを開けてみてはまたきゃいきゃいとはしゃいでいた。
「―――ところで新一君、君は大学はどうするつもりだい?」
と、突然優作が切り出し、蘭も有希子もぴたっと動きを止めた。
―――な、なんだよ?
「どうするって・・・俺は帝丹か杯戸に・・・」
と新一が言うと、蘭がちょっと困ったような顔をし、有希子はにやりと笑う。優作はわざとらしく目
を見開き、
「おや、それは残念だねえ」
と言った。
「なんだよ?どういう意味だよ?」
「蘭君は、向こうの大学に行ってもいいと言っていたんだが・・・」
「は!?」
新一が、驚いて大きな声を出すと、有希子が「うるさいわねえ」と眉を顰める。
「向こうって、どこだよ!?」
「無論、アメリカさ」
「な、なんで!?」
「決まってるだろう。君が向こうの大学に進むなら、何年も離れ離れになってしまう。今までも散々待
たされたんだからね。これ以上待たせるのはかわいそうだろう。だから、蘭君さえ良ければ、新一と一
緒に向こうの大学に行ったらどうかと言ったんだよ。住む所は心配いらない。うちにちゃんと部屋を用
意しておくからね。別々の大学に行くとしても、同じところに住んでいればずっと一緒にいられるしね」
―――今、なんて言った?同じところに住む!?蘭と!?
新一が驚きのあまり言葉を発せられないでいると、優作は続けて
「しかし、新一がどうしても日本にいたいと言うのなら仕方がないな。どうせ一緒に住むのなら、いっ
そ結婚してしまえばと思ったんだが・・・」
―――け、結婚!?
「ちょ、ちょっと待てよ!!いつそんな話・・・!大体、母さんそんなこと言ってなかったじゃねえか!」
「うふふ、ごめんねえ、新ちゃん」
有希子が楽しそうに笑う。
「ちょっと試したかったのよお。新ちゃんがどれだけ蘭ちゃんと一緒にいたいと思ってるか。それから
・・・一緒に住んだら蘭ちゃんとうまくやっていけるかどうか」
「おば様・・・」
「蘭ちゃんのことは大好きだし、もちろんうまくやっていけるとは思ってたけどお。今日1日一緒にい
て改めて確信したわ。わたし達、絶対大丈夫よ」
有希子が力強く言うのを聞いて、蘭が感激して瞳を潤ませる。新一はまだ納得できない様子で、
「・・・ただ単に買い物に付き合わせたかっただけなんじゃねえかって気ィするけど?」
「あらァ、失礼ねえ。まあそれもあるけどね」
「で、どうするんだい?もちろん結婚ともなれば蘭君のご両親も説得しなければならないし、それには
わたし達も協力するつもりでいるけれど」
優作が穏やかに言う。
「ちょっと待ってくれよ。あんまり急で・・・」
「あら、新ちゃんたら蘭ちゃんと結婚したくないの?」
「ばっ、ンなわけねえだろ?俺が結婚する相手は蘭しかいねえんだから!!」
思わず叫んでしまい、はっとして蘭を見ると、蘭は真っ赤になって新一を見つめていた。
「えーと、その・・・」
「なーんか全然ムードのないプロポーズねえ」
「今のはプロポーズと言うより、口が滑っただけという感じだな」
冷静に話し合う両親をじろりと睨み、新一は蘭を見つめた。
「蘭・・・その、おめえは、良いのか・・・?」
「―――わたしだって・・・新一以外の人と結婚するつもりなんか、ないもの」
俯いて囁くように、しかし新一にははっきりと聞こえる声で蘭はそう言った。
「らん!!」
もう、新一には回りは見えていなかった。ただ蘭が愛しくて、堪らずに蘭の細い体を抱きしめていた。
「し、新一、あの・・・」
真っ赤になって離れようとする蘭の体を、絶対に離すまいと抱きしめる新一。
蘭は困ったように視線を彷徨わせ、優作と有希子のほうを見た。
2人は軽く頷いてみせ、それから静かに部屋を出て行った。
蘭は照れながらも、2人の好意に感謝し、それから自分の腕を新一の背中にまわし、ぎゅっと抱きつ
いた。それに答えて新一も蘭を抱きしめる腕に力を込める。
そうして、これからもずっと一緒にいられる幸せを、2人でかみ締めながら、ずっと抱き合っていた
のだった・・・。
「最後は当てられちゃったわね」
「まあ良いだろう。今日は散々新一で遊んだんだから」
「そうね。でも、これからが大変よ。あの小五郎さんを説得しなくちゃいけないんだからね」
「大丈夫。彼も何だかんだ言って、蘭君には弱いからね。きっと許してくれるさ」
「・・・あなたも、蘭ちゃんには弱いのかしら?」
「え?」
「今朝・・・新ちゃんが書斎に行った時、蘭ちゃんに一体何しようとしてたの?」
「別に何も・・・」
「そお?なんだか抱きしめようとしてるみたいだったけど?」
「・・・気のせいだろう」
「ふーん?」
「僕が、君以外の女性にそんなことするはずがないだろう?」
「うふ。それじゃあ、その証拠をみせてね」
「もちろん。今夜、たっぷり証明してあげるよ・・・」
そうして2組のカップルの熱い夜は更けていったのだった・・・。
この作品は7000番をゲットされた桜井ねお様のリクエストによるものです〜。
工藤夫婦にちょっかい出される新蘭ということで・・・わたしも初めてトライするテーマだったので
正直始めは全然話が思い浮かばず・・・ええい、ままよ!と書き始めたら何やら話がとんでもないほう
に進んでいき・・・気が付いたらこんなのになってました(笑) ねおさんごめんなさい・・・
工藤夫婦・・・特に優作さんは難しいですね。でも、また書いてみたいかも。
というわけで・・・感想などありましたらBBSのほうへどうぞ♪
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