Proposal of marriage

 なにやら雑誌をじっと見つめている蘭。
 先ほどまで読んでいた小説から目を上げて、自分をじーっと見つめている目があることにも気付かな
い。
「なーにをそんなに夢中になって見とんのや?」
「あっ」
 さっと読んでいた雑誌を持っていかれ、蘭が慌てて顔を上げる。
「平次くんっ!!」
 取り返そうとする蘭をかわし、そのページに目を走らす。
「なんや、星占いやんか。こんなんに興味あるんか?」
「い、良いじゃないっ、もう、意地悪しないで返してよおっ」
 真っ赤な顔をして、必死に雑誌を取り返そうとする蘭を面白そうに見つめ、蘭の顔が自分の顔に近付
いた瞬間に、その可愛らしい唇にさっとキスをした。
 途端、吃驚して身を引く蘭。
 平次はそんな蘭をにやにやしながら見つめている。
「もう!意地悪なんだから!」
「何が意地悪なんや。蘭は俺にキスされるのいやなんか?」
「そ、そうじゃないけどっ」
 困ったように俯いてしまう蘭。そんな蘭を見つめる平次の目は、意地の悪い中にも優しさが見え隠れ
していて・・・。
 頭の上にあげていた雑誌をソファの上に置くと、その手を蘭の顎に添え、そっと上を向かせた。
 ちょっと驚いたような表情で平次を見た蘭だったが、少し頬を赤らめつつも、その潤んだ瞳をそっと
閉じた。
 蘭の、艶やかな唇に平次の唇が重なる。
 甘く、痺れるような感覚に蘭の体からは力が抜けていく。そんな蘭の体を、平次の力強い腕が優しく
支える。
 長い、夢のようなキスの後、唇を解放された蘭はうるんだ瞳で平次を見上げた。
「―――占い、良いこと書いてあったんか?」
「え・・・まあまあ、かな・・・?」
「なんやそれ」
 おかしそうにクックッと笑う平次を拗ねたように見つめる蘭。平次はそんな蘭がかわいくて、蘭の体
をぎゅうっと抱き寄せる。
「きゃっ、ちょっ、平次くんっ」
「―――気にすることあらへん」
「―――え?」
「なんや悪いこと書いてあっても、気にすることあらへんよ。何があっても・・・蘭のことは、俺が守っ
てやるし」
「平次くん・・・」
「な?」
 優しく自分を見つめて言う平次に、蘭も笑顔になる。
「・・・うん。ありがと・・・」
 平次はソファに座ると、そのまま蘭を自分の隣に座らせ、肩を引き寄せた。蘭もされるがままになっ
ている。
 2人の間に流れる優しく甘い時間。
 2人にとって、何よりも大切な時間だ。
「なあ、蘭」
「ん?」
「・・・一緒に、住もか」
 何気なく零れた平次の言葉に、蘭は目を見開きがばっと体を起こした。
「ええ!?」
「なんや、いやなんか?」
「そ、そうじゃなくて・・・一緒にって・・・それって・・・」
 顔を赤らめ、震える声で聞く蘭に、平次はいつもどおりにやりと笑い、
「ま、プロポーズっちゅうやつやな」
 と言ってのけたのだった。
 蘭のほうは、驚いて声も出せないでいる。
 どのくらいの時間がたったのだろうか。いつまでも呆けたように固まっている蘭を、じっと優しく見
つめる平次。
 そして・・・蘭の瞳から、真珠のようにきれいな涙が一粒、零れ落ちた。
「―――蘭―――」
「平次くん、わたし・・・」
「必ず、幸せにする。俺と・・・結婚してくれるか・・・?」
「―――はい―――!」
 ふわりと、零れるように微笑んだ蘭は、花のように美しく・・・平次は、蘭を抱き寄せ、その艶やか
な髪に顔を埋めた。
「幸せに、なろうな。2人で―――」
「うん・・・!」
 窓から差し込む優しい光が、2人を包み込む。
 そんな優しい光の中、2人はいつまでも抱き合っていた。
 この幸せが、いつまでも続くように・・・・・。



 あ〜〜〜ごめんなさい!平蘭、難しいです・・・。できたらいつか、再チャレンジしたいネタです・
・・。もっと、平次は平次らしく、そして格好良く書きたかったんです。そして、もっとラブラブに・・
・。なのにこんなんでごめんなさい。今度はもっとがんばりますんで・・・。